夏時期に浴衣より一つ大人の装い【小千谷縮(おじやちぢみ)のコーディネート】

夏といえば浴衣(ゆかた)が思い起こされるのですが、浴衣よりもワンランク上の夏着物を楽しみたい!という方に今回は「小千谷縮(おじやちぢみ)」のご紹介をさせて頂きます。


小千谷縮とは

まず、小千谷縮とは新潟の小千谷市周辺で生産される麻の織物のことです。
麻なので風通しが良く、汗をかいても肌に貼り付かないので夏に最適な着物です。


コーディネート幅が広い

小千谷縮の良いところは肌着の上からそのまま浴衣のように着ることもできますし、襦袢と足袋を履くことで落ち着いた雰囲気にもなります。

帯も半幅帯(はんはばおび)からお太鼓結び(おたいこむすび)まで幅広くコーディネートできるのが魅力です。
夏に合わせる帯として、麻や木の繊維を使った植物布(しょくぶつふ)の帯や、絽(ろ)や紗(しゃ)、羅(ら)など透け感のある帯を選ばれると良いでしょう。

何点かコーディネートしてみましたので、ご参考にしてみてください。

ブルー通しで爽やかな組み合わせにしてみました。
帯も麻地でできています。



少しシックに黒を取り入れてみました。
帯にピンクが入ることにより暗い印象になりすぎないよう組み合わせてみました。



グリーンの小千谷に柔らかな印象の紙で織られた帯を合わせてみました。



こちらは黄色の明るさを落ち着かせ、しな布(しなの木の繊維を糸にして織り上げたもの)の帯を合わせてみました。



着物地がメリハリの効いた色合いなので、縞の色味に合わせつつ着物のインパクトに負けないような帯をコーディネートしてみました。



落ち着いた紫の縞(しま)に同系色の麻の半幅帯と帯留(おびどめ)を合わせ、大人の雰囲気に仕上げてみました。


また、帯留もいろいろな種類がありますので、たくさんお洒落を楽しんでいただけます。


最後にお客様のご了承を頂きましたので、全身コーディネートのご紹介させて頂きます。

大胆なチェック柄ですが、色味を青と白で統一することですっきりとした印象です。
襦袢を着用し、足袋を合わせることで落ち着いた雰囲気になっております。



帯は和紙を使用しており、大変軽やかで爽やかなコーディネートです。



こちらは元気が出るような明るい黄色が特徴の小千谷縮です。
組み合わせた帯締と帯留の色合わせがより爽やかさを感じさせます。



こちらも和紙を使用した帯になり、大変柔らかな印象です。
きものとの色合いも大変、馴染んでいます。


小物はどんなものを合わせたら良いの?

お好みの雰囲気に合わせて草履やバッグを変えてみると印象が違って見えます。

襦袢と足袋を合わせて上品に着こなすのであれば、下記のような履物を選ばれてみては如何でしょうか。

畳(たたみ)地の下駄で鼻緒も落ち着いた印象です。



下駄ながら、鼻緒の印象が落ち着いているので、上品に合わせていただけます。


下記の2点は先ほどのものよりかはカジュアルになった印象の下駄ですが、足袋を履いて合わせても素足でもどちらでもお好みで合わせて頂けます。

着物の雰囲気や色合いに合わせて草履を楽しく選んでいただけたらと思います。


バッグはどんなものが良いの?


こちらは竹巧彩(ちくこうさい)の竹細工のバッグになります。
大変、味わい深い印象で飽きのこない逸品です。



こちらはぶどう蔓から作製されたバッグになります。
使用していくと、どんどん鈍く黒光りしていくのが魅力の一つです。



柿渋の和紙から製作されたバッグになり、大変軽く使いやすいのも嬉しいポイントです。



こちらは栗山工房(くりやまこうぼう)の京紅型(きょうびんがた)バッグになり、さわやかな色使いのバッグです。


バッグを変えることで全体の印象も違って見えますので、ぜひ小物でもお洒落を楽しんでいただけたらと思います。


お手入れはどうしたら良いの?

ご自宅で洗えるのが小千谷縮の嬉しいところ。

洗濯機で洗われる方もいらっしゃいますが(その際はネットに入れる)、手洗いのほうが生地へのダメージが少ないのでオススメです。
洗う際は水で洗い、お湯は避けてください。(お湯は縮むため)

生地同士を強くこすると白く擦れてしまうので、注意しましょう。

干す際は直射日光を避け、風通しの良いところで乾かしましょう。

乾かす際は生乾きの状態で吊るしておけば、水分の重みで余分なシワが取れやすくなります。

麻は乾燥や熱に弱いので、日光に当てた状態で放置してしまったり、高温のアイロンを直接かけてしまうと生地にダメージを与えてしますので注意が必要です。
アイロンされる際は当て布をすることをオススメします。

しぼ感が小千谷縮の特徴なので、あまり押さえつけてアイロンしないようお気をつけください。


如何でしたでしょうか。
夏の着物選びの選択肢としてぜひ小千谷縮を一度試してみてください。

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